嵐峡にたたずむ星のや京都
(写真提供:星のや京都)

京都・嵐山といえば渡月橋や嵯峨野の竹林の道、トロッコ列車、保津川下りなどが有名です。しかし、嵐山の本当の魅力を知るには嵐峡を訪れなければ意味がないともいわれています。

今回はその嵐峡の中にひっそりとたたずむ隠れ宿「星のや京都」をご紹介!渡月橋から船でアクセスし、宿泊客のみ足を踏み入れることができる、まさに非日常を楽しむための宿です。

秋の嵐峡を舟で宿までアクセス
秋の送迎船(写真提供:星のや京都)

京都の伝統や文化、四季折々の美しい景観を間近に感じることができる、特別感たっぷりの星のや京都の魅力をお伝えできればと思います。

「星のや京都」がある“嵐峡”とはどんなところ?その歴史をちょこっとご紹介

星のや京都は約100年前に建てられた旧・嵐山温泉嵐峡館を現代的な快適性を巧みに取り入れながら“水辺の私邸”をコンセプトにリノベーションし、2009年に開業しました。

外観は老舗旅館の趣を残しつつ、対岸にある小倉山の景観を存分に楽しめるよう窓の位置などを計算してレイアウト。部屋にいながら嵐峡の美しい四季を満喫できる、全室リバービューの贅沢なつくりになっています。

星のや京都・客室「月橋和室」
客室・月橋和室(写真提供:星のや京都)

平安貴族の別荘地として人気を博した嵐山。渡月橋から大堰川(おおいがわ)を船で遡ったエリアは、最も眺望が美しく、風光明媚な場所として愛されてきました。

大堰川は淀川水系のひとつ。渡月橋より上流を大堰川、下流は桂川と呼び名が変わります。保津峡辺りからは保津川と呼ばれたり、鴨川・木津川・宇治川と合流する辺りから淀川(よど がわ)と呼ばれるなど、ちょっとややこしいですね。

奈良~平安時代に都の造営に使う木材は、大堰川を使った水運で運びました。大堰川の名前は5世紀後半に大きな力を振るった古代豪族の1人、秦氏が川に大きな堰(せき)をつくり、灌漑用水をひいたことに由来するそうです。

その後、川を利用した木材や農作物、特産品の運搬を行うため、1606年角倉了以(すみのくらりょうい)が私財を投じ、世木から嵯峨までの保津川を開削。その後、想像を絶する難工事に協力してくれた方々を弔う寺として大悲閣千光寺を建立しています。

大悲閣千光寺
大悲閣千光寺

星のや京都が建っているのは、その角倉了以が別邸を構えたとされている場所。渓谷から抜き出てくるような大堰川の流れ、四季折々に表情を変える山々の景観、川面に映し出される月光と、その姿は何百年経ったいまも変わらず、訪れる人を魅了し続けています。

嵐峡の景観を楽しみながら宿へ「星のや京都」を訪れるプロセスも旅情たっぷり

星のや京都へ専用舟でアクセス
夏の送迎船(写真提供:星のや京都)

「星のや京都」へのアクセスは基本船※で。渡月橋のたもとに桟橋があり、専用船がお客様の到着を待っています。大堰川を遡ること約15分のクルーズ。

桜色に煙る夏の星のや 京都
春の送迎船(写真提供:星のや京都)

春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と京都の四季を贅沢に楽しみながら、宿へと向かう演出。いつ訪れても楽しめるのも星のや京都の魅力の一つです。

冬の送迎船
冬の送迎船(写真提供:星のや京都)

常に観光客であふれている渡月橋を後に、時間がゆったりとした流れに変わる幽玄な世界へ。星のや京都に宿泊しなければ体験できない特別な時間が待っています。

※天候によっては船でのアクセスができない場合があります。その際は、車での送迎となります。

「星のや京都」があるのは京都で最も美しい景観が保たれているエリア

桟橋から宿へ続く階段
(写真提供:星のや京都)

上の写真は専用桟橋を降りて宿へ向かう階段アプローチ。春から紅葉の直前までは、美しい青もみじのアーチが出迎えてくれます。秋は真っ赤に染まり、冬は雪景色と風情あるアプローチです。

星のや京都の敷地内にはさまざまな庭の表情があります。特に印象的なのは水の庭。戦前戦後と京都で活躍した庭師・小島佐一さん(島根県・足立美術館の苔庭も手掛ける)が作庭したものを、現代的なデザインを加えつつ復元したものです。

水の庭が広がる星のや京都
(写真提供:星のや京都)

一年を通してさまざまな花が鑑賞できるように植栽され、嵐山の景観と美しく調和しています。夏(7月~8月)限定ですが、「水の庭」には京都の夏の風物詩“納涼床”も登場。暑い時期を涼やかに過ごせる粋な演出のおもてなしですね。

星のや京都・水の庭
(写真提供:星のや京都)

「星のや京都」は歴史的風土保存区域の中にあるため、京都の中でも厳しく規制されており、お庭のデザイン一つとっても制約があったそうです。伝統を守りながらも斬新なアイデアでお客様をお迎えする作庭は長谷川浩己さん(オンサイト設計事務所・代表)が手掛けたもの。

枯山水の奥の庭
(写真提供:星のや京都)

桜や青々とした竹、もみじ、苔むした庭、水が流れる音。敷地の奥には枯山水のお庭もあり、借景である小倉山や大堰川とともに絵画のような美しさを演出しています。

この贅沢な景色が楽しめるのは星のや京都に宿泊するゲストだけ。ここでの滞在は京都へのハネムーンを、さらに特別なものにしてくれることでしょう。

何もしない贅沢!ハネムーンならではの滞在が楽しめる「星のや京都」の客室

星のや京都の客室は離れの造りで全25部屋。部屋タイプは「月橋」「山の端」「谷霞」「葉雫」「水の音」の5タイプあります。それぞれをダイジェストにご紹介していきましょう。

窓を額縁に見立てた贅沢な景観が魅力の特別室「月橋(つきはし)」

星のや京都・月橋
(写真提供:星のや京都)

「月橋」は、大きな開口部からダイナミックに広がる景観が魅力です。

京都職人たちによる「洗い」の技法で残された柱や天井板、組み木の壁、凝った障子戸など、昔の意匠を巧みに残した室内。時間を忘れて快適にくつろげるよう「畳ソファ」が用意されています。

日本の和室はもともと正座した“低い目線”で、景色や室内の装飾が最も美しく見えるようしつらえています。しかし椅子とテーブルの生活が日常の現代人や外国人にとって正座はキツイもの。

星のや京都では「ヒノキ工芸」にオリジナル家具製作を依頼。低い目線から景色を楽しみつつ、足をくずして心地よく過ごせるよう配慮されています。

星のや京都・月橋メゾネット寝室
月橋・メゾネットタイプの寝室(写真提供:星のや京都)

寝室の壁紙には「京からかみ丸二」の京唐紙を使用。一枚一枚職人の手すきにより、伝統的な文様を浮かび上がらせた独特の風合いを持つ京唐紙は、京都でもわずか2社しか製造していないそうです。

窓から差し込む光を受け、絵具に調合した雲母(きら)や胡粉(こふん)が生み出す豊かな表情も、ぜひ楽しんで欲しいポイントのひとつです。

また、客室へ向かう庭路地はひとつひとつ異なる意匠の延段が設けられていますが、「月橋メゾネット」は乱菊のモチーフを施した金属板と手水鉢を合わせた坪庭があります。まるで個人の別荘を訪れたような特別感を味わえますね。

老舗旅館の趣を残すラグジュアリーな客室「山の端(やまのは)」

老舗旅館の趣たっぷり・山の端
(写真提供:星のや京都)

和室と寝室で構成されている「山の端」は、伝統と格式を残しつつも、現代的に快適にアレンジされた室内。

山の端のリビングスペース
(写真提供:星のや京都)

特にメゾネットタイプの客室は、敷地内で最も高台にあるため、眼下に見える庭の美さは格別。春は桜、冬は雪景色、初夏から秋は枯山水ともみじの彩りが美しい奥の庭が見渡せます。

窓辺のソファに寝転んでせせらぎ音を楽しめる「谷霞(たにがすみ)」

星のや京都・谷霞
(写真提供:星のや京都)

「谷霞」は栗の木を使ったフローリングと高い天井が特徴のお部屋。窓辺に大きなソファをしつらえ、川のせせらぎをBGMにゆったりくつろげるのが人気になっています。

山間を走る嵯峨野トロッコ列車を眺めながら、お2人の時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。

ベッドの上からも四季折々の景色が楽しめる「葉雫(はしずく)」

フローリングにキングサイズベッドを置いた葉雫
(写真提供:星のや京都)

フローリングにダブルサイズのベッドを配し、横になったままでも窓の外の景色が楽しめるお部屋「葉雫」。窓辺には大きめのベンチタイプのソファがあり、ここでもくつろげるのがポイントです。

「水の音(みずのね)」はひとり旅に最適なお部屋

一人旅に最適な客室「水の音」
(写真提供:星のや京都)

最後にもう一つのタイプ「水の音」もご紹介しておきましょう。「星のや京都」で最もコンパクトな35㎡。

キングサイズベッドと窓辺のベンチソファ、ライティングデスクがしつらえてあります。コロナ禍のリモートワークにも最適!

ちょっと贅沢なひとり旅にもおすすめのタイプです。

季節湯とヒバの浴槽風呂でくつろげます

星のや京都の浴室
(写真提供:星のや京都)

「星のや京都」には温泉や大浴場がありません。景観を変えずに古い旅館をリノベーションしたため、新たにつくるのが難しかったそうです。

そのかわりに香りのよいヒバで作った浴槽を各お部屋にしつらえました。さらに、星のやオリジナルの季節湯を用意。

星のや京都は季節湯でおもてなし
季節湯(写真提供:星のや京都)

日本酒や菖蒲、金柑、菊、りんごなど四季を感じる演出は嬉しいおもてなしです。

また、リゾート内や客室でゆったりとくつろげるように枕香づくり、野点セット、写経セットの貸出しも!

星のや京都・枕香づくり
枕香(写真提供:星のや京都))

“枕香”はお休みになる際、枕元に置いてリラックスしていただくためのアイテム。ご自身で好みの香原料をブレンドしてオリジナル枕香をつくることができます。

星のや京都・野点セット
野点(写真提供:星のや京都)

野点セットは、ご自身でお抹茶を楽しんでいただくためのもので、作法などは特に気にせずにお部屋やお庭で自由に“野点”が可能。写経セットとともにリクエストに応じて貸出してくれるそうです。

他のホテルではあまり体験できない、星のや京都ならではのサービスですね。

嵐峡の滋味をコンセプトにした「星のや京都」の会席料理

星のや京都・ダイニング
(写真提供:星のや京都)

「星のや京都」は宿泊と食事は別々に予約するシステム。美食の街京都らしく、自由に外食を楽しめるようになっています。

もちろん宿で食事をとることもでき、京都の料亭で25年間腕を磨いた高橋利治さんが料理長を務めるダイニング、お部屋でいただけるインルームダイニングがあります。

星のや京都の滋味豊かな会席料理
(写真提供:星のや京都)

星のや京都ダイニングでは、“嵐峡の滋味”をコンセプトに、伝統的な日本料理に雅な遊び心を加えた料理を提供。奥嵐山の四季折々の豊かな滋味を心行くまで堪能できます。

おこもりステイなら、お部屋でゆっくりいただくインルームダイニング

星のや京都・インルームダイニング
(写真提供:星のや京都)

観光やアクティビティでくたくた。できればお部屋でゆっくり食事がしたいというカップルにはインルームダイニング(お部屋食)が嬉しいですね。

お部屋では八寸、向付、焼物、炊合、ご飯、水菓子で構成された美しい松花堂弁当をいただけます。

朝食はお部屋でゆっくりいただく朝鍋

朝食はお部屋食・星のや京都
(写真提供:星のや京都)

朝食はお部屋食です。「星のや京都」の和食は朝鍋。旬のお野菜を温かいお出汁で炊いていただく胃腸にやさしいメニューです。

通常なら洋食(アメリカンブレックファースト、コンチネンタルブレックファースト)もあるのですが、2021年10月現在はお休み中。京都人はパン好きでも知られているので、洋食希望の場合は街へお出かけもおすすめですよ。

趣のあるお茶室やラウンジ、バーなどパブリックスペースも魅力的!

嵐山の渓谷沿いに建つ星のや京都。そのロケーションを活かしたお部屋で過ごすのが一番の楽しみですが、パブリックスペースも魅力的です。ダイジェストにご紹介していきましょう。

大堰川にせり出すようにつくられた「空中茶室」

星のや京都・空中茶室
(写真提供:星のや京都)

大堰川にせりだすようにしつらえた空中茶室は小倉山が間近に迫る特等席。春は山桜、夏は青もみじ、秋は紅葉、冬は雪景色と、自然の中に身を任せるかのような臨場感が楽しめます。

2014年に蔵を改装して生まれた「Salon&Bar 蔵」

サロン&バー蔵
(写真提供:星のや京都)

2014年に蔵を改装してオープンしたのが「Salon&Bar 蔵」。漆喰壁とむき出しの梁、高い天井と開放的でありながらシンプルで落ち着いた内装です。

カップルでオセロを楽しんだり、1人でじっくりと旅先からの手紙を書いたりと、思い思いにくつろげる居心地のよい大人の空間になっています。

お茶とお菓子を楽しみながら読書!「ライブラリーラウンジ」

ライブラリーラウンジ
(写真提供:星のや京都)

フロントや空中茶室が入っている建物の中にあるライブラリーラウンジ。ソファ席やごろりとくつろげる畳スペースなどが設けられており、好きな場所で読書を楽しめるようになっています。

コーヒーや紅茶、煎茶、おかきなどのお菓子もあり、ついつい長居してしまいそうです。

ハネムーンの思い出に、京都らしい雅な体験を楽しんで

奥嵐山に位置する星のや京都では、他では体験できないような魅力的なアクティビティを用意しています。ぜひ京都ハネムーンの思い出に楽しんでみてはいかがでしょうか。

香りを“聞く”優美な遊び、聞香入門

アクティビティ・聞香入門
(写真提供:星のや京都)

日本の伝統文化である聞香は香道の一種。専用の香炉で希少な香木を焚き、香りに心を傾けるという遊びです。初めての方でも気軽に楽しめる入門編。ぜひ、気軽に参加してみましょう。

秋におすすめのアクティビティ“朝のもみじ舟”

秋におススメのアクティビティ・もみじ舟
(写真提供:星のや京都)

星のや京都専用の屋形船「翡翠」を貸切、朝日に輝く奥嵐山の紅葉を楽しむアクティビティ(有料)です。季節をかたどった和菓子と抹茶を味わいながら、鳥のさえずりの中を進む幻想的な世界を楽しめます。

この他、春は桜、夏は青もみじ、冬は水墨画のような静かな冬景色と、季節ごとにさまざまなテーマで企画・開催されています。

冬におすすめのアクティビティ“星のや手まり茶会”

秋のおすすめアクティビティ・星のや手まりお茶会
(写真提供:星のや京都)

手まりをモチーフにした灯りで、奥の庭を幻想的に浮かび上がらせる演出を施した会場で、ひとつひとつ丁寧に点てた抹茶とお菓子をいただく無料のイベント。毎週土日には和楽器の生演奏もあります。

星のや京都のアクティビティは期間限定のものや事前予約必須のものがあるので、訪れる際はどんなアクティビティが楽しめるか事前に問合せし、手配してもらいましょう。

おこもりハネムーンにぴったりな「星のや京都」おすすめポイントまとめ

星のや京都おすすめポイントまとめ
(写真提供:星のや京都)

京都を新婚旅行で訪れる楽しみはなんといっても四季の美さを楽しめること。コロナ禍でなかなか思うように外出ができず、日本らしい春夏秋冬の輝きを楽しめない日々が続いてきました。

星のや京都は、まさに滞在するだけで自然の美しさを間近に感じさせてくれる演出がたくさん!ハネムーンはもちろん、アニバーサリー旅行やご両親を招待しての家族旅行など、節目節目の記念日を祝う舞台としても最適な宿です。以下、ポイントをまとめました。

  • 「星のや」は“夢中になるという休息”をコンセプトに、各施設ごとの独創的なテーマで圧倒的非日常を提供するブランド
  • 小倉山をはじめとする嵐峡の借景と大堰川のほとりに建つ絶好のロケーション
  • 渡月橋から船でアクセスする特別感、四季折々の船遊びを提供する独自のアクティビティ
  • 歴史的風土保存区域にあり、自然の景観と溶け込む美しい庭
  • 約100年以上の歴史を持つ建物と調和させた伝統的、かつ快適な施設
  • 京都で25年間腕を磨いた料理長が手掛ける滋味豊かな会席料理も楽しめる

小学生以下の小さなお子様連れでは宿泊できないので、静かにゆったりと過ごしたいというカップルには最高のお宿。あちこち観光で遊びまわるよりも、何もしない贅沢を過ごしたいという方にも星のや京都はおすすめです。

ぜひ京都ハネムーンプランで泊まりたい宿として、旅行会社にリクエストしてみてはいかがでしょうか。

■取材協力

夏の庭路地・星のや京都
(写真提供:星のや京都)

星のや京都

住所:〒 616 0007 京都府京都市西京区嵐山元録山町 11 2
電話:0570 073 066 (星のや総合予約)

*舟待合から専用の舟で本館まで送迎。天気や川の状況により、車での送迎となる場合あり。

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