宮殿周辺の街歩き

フランスハネムーンでヴェルサイユ宮殿に行く方は結構多いと思います。でも、ヴェルサイユ宮殿のある街を観光した、という方はあまりいらっしゃらないかもしれません。

そこで、今回はヴェルサイユの街のご紹介です。と言うのも、宮廷人たちが住んだ街も歴史があって美しく、宮殿だけ見学して帰るのはもったいないんです

宮殿に行きたいけど街歩きは考えていなかった、というハネムーンカップルの皆さん、必見ですよ!



ヴェルサイユ宮殿ハネムーン大特集INDEX

  1. (1)ヴェルサイユ宮殿への行き方とチケット攻略法
  2. (2)ヴェルサイユ宮殿の歴史と見どころ
  3. (3)ヴェルサイユ宮殿の離宮「グラン・トリアノン」「プチ・トリアノン」「庭園」紹介
  4. (4)ヴェルサイユ宮殿街歩き
  5. (5)ヴェルサイユ宮殿で楽しむグルメ

歴史的な地区にあるノートルダムのマルシェへ

ノートルダムのマルシェ

まずは歴史があって賑やかなマルシェに向かいましょう。

今回私はヴェルサイユまでRER C線で来ました。下車駅は最終駅の「ヴェルサイユ・シャトー・リーヴ・ゴーシュ(Versailles château rive gauche)」。

ヴェルサイユ宮殿はこの駅を出て、目の前の大通りを右にまっすぐ行くと、左側に上の写真のように見えてまいります。

宮殿はすでにご紹介しましたので、ここでは宮殿を通り越して、そのままさらに進んでいきます。

宮殿を過ぎ、約10分ぐらい歩くと着くのがここ、ノートルダム市場です

ノートルダム市場

マルシェは1634年にこのノートルダム地区に設けられたのがはじまり。ブルボン朝の最盛期を築き、太陽王と呼ばれたルイ14世によりさらに開発が進められました。

ノートルダムにあるマルシェは屋内・屋外両方あります

屋内マルシェ

18世紀前半に建てられた歴史ある4つの四角い建物は、それぞれ「野菜・果物・ハーブ」「肉」「魚」などの専門店が入る屋内マルシェ。

その建物に囲まれた2つの通り「マレシャル・フォシュ通り(Rue du Maréchal Foch)」と「パロワス通り(Rue de la Paroisse)」が交差する広場が、「マルシェ広場(Place du Marché)」と呼ばれる屋外マルシェになっております。

屋外マルシェは火、金、土の週3回で7時から14時まで。主に食料品が並びます。これ以外の曜日は雑貨や服などの市が立ちます。

屋内マルシェは火曜~土曜が7時から19時30分まで、日曜が7時から14時まで

食品のマルシェ

新鮮な野菜や果物、お肉、魚、チーズ、総菜など、フランスらしい食材はもちろんイタリアンも揃っていてついあれこれ買いたくなってしまいます。

ヴェルサイユに朝早く到着したら、ここで朝食を調達して食べてもよいと思います。

<Information>
ノートルダム広場のマルシェ
住所:Carré Notre‐Dame 78000 Versailles

カフェやビストロ食材屋さんものぞいてみよう!

カフェやビストロ、食材屋さんなどが並んでいます

そしてマルシェの裏通りには、マルシェの賑やかさそのままのカフェやビストロ、食材屋さんなどが並んでいます。マルシェや宮殿を楽しんだ後に、休憩で立ち寄るのにもぴったり。

下の写真のお店は、ステーキが人気のビストロ「ル・ブフ・ア・ラ・モ‐ド(Le Boeuf à la mode)」

ビストロ「ル・ブフ・ア・ラ・モ‐ド(Le Boeuf à la mode)」

朝から夜中まで休まず開いているので便利です。

<Information>
ル・ブフ・ア・ラ・モ‐ド(Le Boeuf à la mode)
住所:4,rue au Pain 78000,Versailles
営業時間:8時30分~0時
※日曜のみ23時までの営業

ノートルダム市場の奥、路地裏の迷宮“アンティーク街”へ

路地裏のアンティーク街

さらに奥に進むと、雰囲気のある狭い路地が続くアンティーク街へ。

アンティーク街へと続いています

入り組んだ小道を歩くと、思いがけない場所にもお店があったり、隠れ家風のレストランがあったりと、ちょっと迷うのもこれまた楽しいんです。

老舗のお肉屋さん

老舗のお肉屋さんの前では、地元のマダムたちがおしゃべり中。ヴェルサイユのさりげない日常が垣間見れてなんだか楽しい

歴史的文化財のノートルダム教会とパロワス通り

歴史的文化財のノートルダム教会とパロワス通り

マルシェ広場を交差する「パロワス通り」の先には、ルイ14世によって建てられたノートルダム教会があります

ここは宮廷の教区教会(教会行政において宗教活動になる拠点)でしたが、フランス革命期には司教が、神ではなく憲法に従う、という法律を受け入れ、その後は荒廃。

19世紀に改修が始まり、2005年に歴史的文化財に指定されました。

パロワス通りは可愛らしいお花屋さんや食料品店、雑貨店が並ぶヴェルサイユのショッピングストリート。ウィンドーショッピングとお散歩をかねて、ちょっと寄り道にぴったりです。

上流階級の邸宅だったランビネ美術館

上流階級の邸宅だったランビネ美術館

ノートルダム地区のラ・レーヌ大通り(bd de la Reine)にはランビネ美術館(Musée Lambinet)があります。

ここは1750年に上流階級の邸宅として建てられ、1929年にランビネ家から市に寄贈された後、1932年に美術館として開館

手入れの行き届いた庭と美しいバルコニーのあるファサードが印象的で、多彩な展示も魅力的なんです。

手入れの行き届いた庭と美しいバルコニー

館内には35の部屋があり、18世紀の邸宅の雰囲気がそのまま残されております。

館主ファミリーが音楽会などを開いたサロン

18世紀の邸宅の雰囲気

金箔を張った金色のサロンは、当時の館主ファミリーが音楽会などを開いた場所。

中央に展示されている美しいハープが印象的です。このハープは当時の有名なハープ制作者ジャン・アンリ・ナデルマン(1735ー1799)作

ハープは18世紀前半にオーストリア・ウィーンからフランスに持ち込まれました。マリー・アントワネットが好きで自らもたしなんだため、当時の宮廷やサロンでなくてはならない楽器だったのです。

マリー・アントワネットの離宮プチ・トリアノンのサロンにもハープがありました。

館主の寝室には生活感!?がいっぱい

当時本当に使われていたカツラ

館主の寝室には、当時本当に使われていたカツラやおまるも展示されていてなかなかリアルです。

興味深い美術コレクションもずらり

ジャン=ジャック・オエ(1751ー1829)の作品「マラーの死」

ジャン=ジャック・オエ(1751ー1829)の作品「マラーの死」。

その美貌から後に暗殺の天使と呼ばれたシャルロット・コルデー(1768ー1793)によって暗殺された、フランス革命の過激な革命推進派ジャン=ポール・マラー(1743ー1793)の死が描かれています。

ルイ16世が使った衣装ケース

ルイ16世の衣装ケース

ルイ16世がパリのタンプル塔に幽閉される際、使用した衣装ケースも展示されていました。

ルイ16世とマリー・アントワネットの次男ルイ=シャルル王太子(1785ー1795)の肖像画。

次男ルイ=シャルル王太子

ルイ16世、マリー・アントワネット、マリーテレーズ王女、王妹エリザベートと共にタンプル塔に幽閉されました。

酷い扱いを受けて亡くなったルイ=シャルル王太子

ルイ16世が処刑された後、ルイ=シャルル王太子はルイ17世となりましたが、マリ-・アントワネットから引き離され、靴屋の後見人兼教育係りのアントワーヌ・シモンのもとで過ごします。

しかしシモンにより革命軍の服を着せられ、ひどい虐待を受けます。シモンが後見人を外された後、光りが入らないトイレもない部屋の、蚤だらけのベッドで衰弱していき、解放されることなく10歳で亡くなりました。

貴族の暮らしを感じさせる眺め

この他にもルイ16世の胸像やマリー・アントワネットの肖像画があり、派手さはない美術館ですが、当時の貴族の暮らしが感じられる中でゆっくりと作品を見ることができます

<Information>
ランビネ美術館(Musée Lambinet)
住所:54 boulevard de la Reine 78000 Versailles
電話:01 39 50 30 32
開館時間:月・火・水・木・土・日の14時~18時
休館日:金曜日と祝日、8月1日~31日
入館料:一般6ユーロ

ルイ15世の公妾デュ・バリー夫人の邸宅

ルイ15世の公妾デュ・バリー夫人の邸宅

貧しい家に生まれ、一時期は娼婦同然の暮らしをしながらもルイ15世の公妾(こうしょう)にまで登りつめたデュ・バリー夫人。その夫人が1772年に購入した邸宅が、ヴェルサイユ宮殿の前の大通りにあります。

1774年にルイ15世が天然痘で亡くなったため、1775年に新国王に即位したルイ16世の弟プロヴァンス伯爵(1755ー1824)に売却されました。

デュ・バリー夫人の邸宅2

デュ・バリー夫人は一時期は修道院に入れられていました。その後、人脈を使ってヴェルサイユと同じイヴリーヌ県内に住まいを移し、何人もの貴族たちの愛人となりました。

そしてフランス革命勃発の時にイギリスへ亡命。しかし、1793年3月になぜかフランスへ帰国。

すぐに革命派に捕まり、アリー・アントワネットの10月16日の処刑の後、12月7日に処刑となっております。

デュ・バリー夫人の邸宅3

この邸宅を買ったプロヴァンス伯爵(後のルイ18世)の歴史もまた興味深いのですが、長くなってしまいますので、今回はこれくらいで。

<Information>
デュ・バリー夫人の邸宅
住所:19, Avenue de Paris 78000 Versailles

同じ通りにあるマダム・エリザベートの邸宅

この他にも、同じ通りにルイ16世とプロヴァンス伯爵の妹のマダム・エリザベート(1764ー1794)の邸宅もあります。

マリー・アントワネットと姉妹のようだったというマダム・エリザベート。国王一家と最後まで行動を共にし、やはり処刑となっております。

ヴェルサイユの歴史は知れば知るほど興味が尽きません。

<Information>
マダム・エリザベートの邸宅
住所・・・73,Avenue de Paris 78000 Versailles

ヴェルサイユの街歩きまとめ

宮殿前の大通り

宮殿前の大通りには歴史ある17世紀18世紀の古い建物が並び、裏通りには石畳が続く迷路のような路地があり、歩くだけでも楽しい街ヴェルサイユ。

宮殿に来るならば、せっかくなので美しい街も楽しんでください!

5回目は最終回で、ヴェルサイユの星シェフのゴージャスなレストラン、ヴェルサイユの庭園に面した美しいホテルのテラスバー、そして星シェフの美味ビストロをご紹介させていただきます。

お楽しみに!


ヴェルサイユ宮殿ハネムーン大特集INDEX

  1. (1)ヴェルサイユ宮殿への行き方とチケット攻略法
  2. (2)ヴェルサイユ宮殿の歴史と見どころ
  3. (3)ヴェルサイユ宮殿の離宮「グラン・トリアノン」「プチ・トリアノン」「庭園」紹介
  4. (4)ヴェルサイユ宮殿街歩き
  5. (5)ヴェルサイユ宮殿で楽しむグルメ

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