「ル・ムーリス」のスイートルーム
(C)Le Meurice

実はフランスのホテルには、5つ星を超えた最上級ランクの格付け「パラス」が存在します。2010年に創設されたもので、「パラス」クラスの称号が許されているのは現在25軒。

以前、ブログ記事でもご紹介したことがある、「ル・ブリストル」「ル・プラザ・アテネ」「シャングリ・ラ ホテル パリ」、そして、今回取材した「ル・ムーリス」もその一つです。

パラスホテルの中でも最も歴史があり、長年各国の王族をはじめ世界中のVIPたちに愛され続けているのが「ル・ムーリス」 。世界にラグジュアリーホテルを有する「ドーチェスター・コレクション」の1つでもあります。

そしてその「ル・ムーリス」のスイートルームが2019年、8か月にも及ぶリノベーション工事を終え新しく生まれ変わったというニュースが飛び込んできました。

リノベーションされた新スイートルーム
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新スイートルームは全室160室のうち3階から7階までの29室になります。

さらに最上階のルーフトップスイートルームは、360度パリのパノラマビューに囲まれた、圧巻の広さと美しさです!

360 度パリのパノラマビュー
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前編では、そんな新スイートルームを徹底取材。「ル・ムーリス」の輝かしい歴史や最高のロケーションと合わせてご紹介しちゃいます。

そして後編では、「ル・ムーリス」が誇る世界的スターパティシエ・セドリック・グロレのお味が堪能できる、大人気のアフタヌーンティ ーをご紹介させていただきます。パリハネムーンを考えているカップルさんは必見ですよ!

それでは、とびきりのパラスホテルへとご案内いたしましょう!


各国の王族と VIP に愛される「ル・ムーリス」の歴史と素晴らしいロケーション

美しい回廊に面したファサード

「ル・ムー リス(Le Meurice)」は、パリ最古の庭園であるチュイルリー公園を臨む、まさに特別な場所に建っています。 美しい回廊に面したファサードは、重厚でありながらエレガントでシック。

最高級パラスホテルの品格が漂います。

その歴史は長く、1771年にフランス北部のカレーの地で郵便局長シャルル・オーギュスタン・ムーリスが、イギリスの上流階級の旅行者たちを迎え入れる宿を開いたのが始まり。その事業が拡大し、「ル・ムーリス」がパリに誕生したのが1815年です。

そして、このチュイルリー公園の目の前に移ったのが1835年。

王族たちのホテル

当時から富裕層の旅行客が泊まるホテルと言えばこの「ル・ムーリス」でした。

大英帝国のビクトリア女王、スペインの国王アルフォンス13世、モンテネグロの国王、帝政ロシアの大公妃らが常連。そのため王族たちのホテルと呼ばれるようになりました。

また、チャイコフスキーやサルバドール・ダリ、パプロ・ピカソ、アンディ・ウォーホールら多くの芸術家たち、そして21世紀の今はマドンナ、ビヨンセ&ジェイ・Z夫妻、ファレル・ウィリアムスやアンジェリーナ・ジョリーなど世界的ミュージシャンや俳優たちも常連となっています。

「ル・ムーリス」は、今も昔も世界中の王族とVIPに選ばれ続けるホテルなのです。

新スイートルームのイメージは「現代のヴェルサイユ宮殿」

今年新しく生まれ変わり ました
(C)Le Meurice

そんな200年以上の歴史を持つ「ル・ムーリス」のスイートルームが、今年新しく生まれ変わりました。

10年前から「ル・ムーリス」の内装を手掛けているデザイナーのシャルル・ジューフルは、オペラ・ガルニエの美しいカーテンやエリゼ宮のサロンも担当。その彼が今回の改装を託したのは若いデザイナーカップル、ラリー&ベルジェです。

2人は「現代のヴェルサイユ宮殿」という軸を基に、18世紀当時のスタイルを忠実に再現しながらもエレガントで斬新な空間を作り上げました

有名職人たちの技が結集!すべてが最高級品質の客室

自然光を最大限に取り込んだ
(C)Le Meurice

フランスの職人技を愛する2人は、自然光を最大限に取り込んだ美しい空間に、有名職人たちの技術を見事に結集させました。

有名職人たちの技術を見事に結集

最高級品質のシルク、ダマス織、ベルベットをふんだんに取り入れ、家具はすべてアトリエ シャルル・ジューフルのオーダーメイド。

家具はすべてオーダーメイド
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眩いシャンデリアは1860年創業のルシアン・ゴー。美しい光沢のカーテンは1752年にリヨンに誕生したメゾン・プレル。

眩いシャンデリア
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デュ・グルネの存在感のある壁紙は、布にすべて手書きされたもの。たとえばこのスイートは、窓を開けると目の前に広がるチュイルリー公園を再現しております。

壁紙は布にすべて手書きされたもの
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部屋の中でも花々が咲き、植物に癒されるイメージ。クラシックな雰囲気の中にモダンで生き生きとした空気が感じられます。

部屋の中でも花々が咲き

パリ滞在中、フランスの歴史と匠の技、芸術を身近に感じながら過ごせるなんて夢のようですね!

溜息が出るほど美しい360度パノラマビューの「ベル・エトワール」は、世界で1つだけの最高級スイート

「ベル・エトワール」

それでは続いて、「ル・ムーリス」が誇るルーフ・トップ・スイートルーム「ベル・エトワール(Belle Etoile)」をご案内いたしましょう!

フランス語で美しい星を意味する「ベル・エトワール」は最上階の7階。この階すべてを占めています。 エレベーターのドアが開くとそこは、天空をイメージした美しい専用エントランス。

ルーフ・トップ・スイートルーム
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広さは620㎡。お部屋の中は360度、パリのパノラマに囲まれています

360 度パリのパノラマ

ブロンズやシルバー、高品質オーク材を絶妙なバランスで使ったお部屋は、華美な装飾をあえて省き、シンプルでありながら最高級のラグジュアリー感

本物を知っているゲストが心から寛げる、居心地の良い空間となっています。

シンプルでありながら最高級のラグジュアリー感

そんな空間の中で目を見張るほど鮮やかなアートは、パリのギャラリー・ナタリー・オバテ ィア所属のフランス人現代アーティスト、キャロル・ペンザケンの作品。

目を見張るほど鮮やかなアート

サロンスペースの一角には、リラックスしながらホームシネマが楽しめるコーナーもあります。

このソファの座り心地の良さにびっくり。しかも軽いので移動が簡単。

ホームシネマが楽しめるコーナー

柔らかな色調のシックなベッドルームは、サクレクール寺院とオペラ座を一望。新鮮な朝の風景から光に浮かび上がる幻想的な夜の風景まで、1日中眺めることが出来るんです。

シックなベッドルーム

総大理石のバスルームは、シンプルモダンな色調に抑えながらもブロンズが使われ、思わず見とれるほどゴージャス。

総大理石のバスルーム
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アメニティは、フランスを代表するクリエイティブな調香士フランシス・クルジャンのメゾン製です。女性だったら1日中ここで美しさに磨きをかけるバスタイムを過ごしたくなるかも?!

パリの天空300㎡のテラスをハネムーンでふたり占め!

300 平米のテラス

そして、この最高級スイートを取り囲むように設置されているのが、300㎡の広大なテラスです!

パリの宝石が一望出来るこの最高の場所
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目の前に広がるのはチュイルリー公園、ルーブル美術館、エッフェル塔・・・。パリの宝石が一望出来るこの最高の場所に、フランスを代表するガーデンデザイナー、ピエ ール・アレクサンドル・リセールは特別な空間を作り出しました。

リラックススペースには花々
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ゆるく分けられたサロン、ダイニング、バースペース、そしてリラックススペースには花々と植物が美しく彩り、その中には小さな愛らしい散歩道まで。

小さな愛らしい散歩道まで

ここはまさしく天空のガーデンテラスなのです!

ここはまさしく天空のガーデンテラス
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この夕暮れのエッフェル塔の風景も、一生に一度のハネムーンなら2人占めもありかも?!

夕暮れのエッフェル塔
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実は取材の際にお話を伺ったところ、以前、日本のハネムーンカップルがこの「ベル・エトワール」に実際に宿泊したことがあるそうです。でもリノベーション前のこと。

リノベーション後の新しい「ベル・エトワール」最初に泊まる日本人カップルに、皆さんがなるかもしれませんよ!

計算し尽くされたその美しい空間
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パリを代表する最高級パラスホテル「ル・ムーリス」の新スイートルーム、いかがでしたでしょうか。

私も実際に訪れてみて、ただゴージャスなだけではない、計算し尽くされたその美しい空間に溜息が出ました。正直、取材とはいえ見れただけでも幸せな気持ちになりました。

次回、後編では「ル・ムーリス」で絶大の人気を誇るアフタヌーンティーをご紹介。「ベル・エトワール」の宿泊は夢のまた夢でもアフタヌーンティーなら大丈夫。 美味しく素敵なひと時が過ごせますよ!

■取材協力
ル・ムーリス Le Meurice
住所:228 Rue de Rivoli 75001 Paris
Tel:33-01-44-58-10-10
ドーチェスター・コレクション予約センター:0120-914-084

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