ジョルジュサンク通り

2020年にパリの一等地「ジョルジュサンク通り(Avenue George V)」に、「ブルガリ ホテル パリ」がオープンすると話題になっています。

前編で「アルマ=マルソー」駅を起点に、ホテル建設予定地のジョルジュサンク通り30番地までの街歩きをご紹介しました。

ずらりと建ち並ぶ有名ブランドショップとブルガリ ホテルの建設予定地、そのすぐそばに建つ2軒のラグジュアリーホテル「フォーシーズンズ」、「プリンス ド ガル」など、この通りが注目を集める理由がご納得いただけたのではないかと思います。

今回は、アールデコの内装が美しい「プリンス ド ガル」と、まだまだ観るべきスポットが目白押しのジョルジュサンク通り後半をご紹介させていただきます。



■もくじ
1.ハネムーンにもおすすめの5つ星ホテル「プリンス ド ガル」の歴史
2. 世界的に著名な建築家が全面改装を手掛け、オープン当時と変わらぬ美しをを取り戻したホテル
3.街歩きの休憩スポットとしておすすめのティーサロン「レズール(Les Heures)」
4.日本人にもなじみやすいお味の一つ星レストラン「ラ・セーヌ」
5.馬具工房からスタートした「エルメス(HERMES)」
6.41番地にはアルマーニのセカンドライン「エンポリオ・アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」
7.古代ローマを意識したネーミング「ブルガリ(Bvlgari)」
8.シャンゼリゼ通りへつながる場所にある「ホテル バリエール フーケッツ」
9.フランスを代表するブランド「ルイ ヴィトン」本店
10.ジョルジュサンク通りでも油断大敵!スリが狙っています
11.シャンゼリゼ大通りに入れば凱旋門まですぐ

ハネムーンにもおすすめの5つ星ホテル「プリンス ド ガル」の歴史

5つ星ホテル「プリンスドガル」

ジョルジュサンク通り33番地にある、1928年創業の5つ星ホテル「プリンス ド ガル ア リュクシー コレクション ホテル(Prince de Galles,a Luxcy Collection Hote)」。

元々は英国王ジョージ5世の息子エドワード8世(プリンスオヴウェールズ))が、パリで滞在するのために建てられたものです。

エドワード8世は後に離婚歴のあるアメリカ人女性と結婚するために退位。「王冠を賭けた恋」と言われ、今もなお語り継がれています。

ホテルのグランドオープンには、イギリスの政治家ウィストン・チャーチル(今年映画になり、ゲイリー・オールドマンが主役をつとめて話題になりましたね)やドイツ出身でハリウッドでも活躍した女優マレーネ・ディートリヒが駆けつけたといいます。

ハリウッド女優のラナ・ターナーとイタリアの女優ジーナ・ロロブリジータは、時期を別にして同じ部屋に宿泊し、同じパリの風景を眺めました。

また、英米で活躍した監督で俳優のチャールズ・ロートンは長期に渡り滞在しております。

世界的に著名な建築家が全面改装を手掛け、オープン当時と変わらぬ美しをを取り戻したホテル

全面改装で美しくよみがえったホテル

そんな歴史のある「プリンス ド ガル」ですが、2011年から2013年まで全面改装のため完全休業。

内装を手がけたのは世界的に名高い2人のフランス人建築家・デザイナー、「ピエール=イヴ・ロション(Pierre-Yves Rochon)」と「ブルーノ・ボリオネ(Bruno Borrione)」です。

ピエール=イヴ・ロションは、銀座の最高級フランス料理レストラン「ロオジエ(L’OSIE)」の2013年の改装でも内装を手掛けております。

このホテルのデザインは、1928年オープン当時を彷彿させるアールデコ様式にモダンを融合させたスタイル。

写真はエントランスになりますがシックモダンで落ち着いた空間となっております。

街歩きの休憩スポットとしておすすめのティーサロン「レズール(Les Heures)」

ティーサロン「レズール」

エントランスの奥に1つ星レストラン「ラ・セーヌ(La scène)」、中庭の「ル・パティオ(Le Patio)」、ティーサロンも兼ねたバー「レズール(Les Heures)」があります。

今回は「レズール」を利用してみました。

ここは1日中オープンしていて、宿泊していなくても利用出来るので、ジョルジュサンク通りでのウィンドーショッピングの途中休憩にもぴったりなのです。

「ル・パティオ」に面した店内はエントランス同様とてもシック。

シックな内装のレズール

ティーサロン兼バーなのでお茶やコーヒー、カクテルやワイン、それから軽いお食事も楽しめるのがよいところ。自家製のお菓子も揃っているんですよ。

この時私がいただいたのはフレッシュなオレンジジュースでお値段は13ユーロ。ちょっとお高めですが、外の喧騒とは別世界のような静かな空間でゆったりと過ごせるので、それも込みのお値段かなぁ、と。

中庭にある「ル・パティオ」の方は広くはないけれどちょっとスペイン風で開放的な雰囲気。ここも気持ちがいいです。

中庭にある「ル・パティオ」

お天気が良ければこちらでもバーと同じように飲み物だけやお食事も楽しめます。

日本人にもなじみやすいお味の一つ星レストラン「ラ・セーヌ」

一つ星レストラン「ラ・セーヌ」

1つ星レストラン「ラ・セーヌ」は「レズール」のお隣でこちらもパティオに面しております。

シェフは女性のステファニー・ル・ケレック(Stéphane Le Quelec)」。

実はステファニーさん、フランスの人気料理コンペティション番組「トップ・シェフ」の2013年の優勝者で私も毎回勝ち抜くのを楽しみに観ていたんです。

彼女の作り出す料理は、伝統的なフランス料理とは違って、素材を生かした日本人でもいただきやすい軽いもの中心。醤油や味噌といった日本の調味料を使うこともあるとか。

そんなお料理が大理石のオープンキッチンで作り出され、その様子も楽しめるそう。

お隣フォーシーズンズの超有名レストラン「ル・サンク」もよいですが、3ツ星よりは少しだけ値段設定の低いこちらで、オープンキッチンを眺めながらのお食事もなかなか素敵かもしれませんね。

馬具工房からスタートした「エルメス(HERMES)」

39番地にあるエルメス

ジョルジュサンク通り街歩き後半はこちらのお店からスタート。

39番地にある「エルメス(HERMÈS )です。

1837年、ティエリー・エルメス(Thierry Hermès)が現在のパリ9区に高級馬具専門店を開いたのが始まり。

有名なケリー・バッグは、1956年に元女優でモナコ王妃のグレース・ケリーが、妊娠したお腹をエルメスのバッグで隠す写真が雑誌に掲載されたことがきっかけで人気に。

もともとの名前は「サック・ア・クロア」でしたが、エルメス社は1977年にモナコ王室から正式にケリー・バッグの名称の許可をとっております。

そしてもう1つ、エルメスを代表するのがバーキン。

1981年、パリーロンドン間の飛行機の機内で、イギリス人で女優で歌手のジェーン・バーキンとエルメスの5代目社長ジャン=ルイ・デュマが、隣同士の席になったのがきっかけで1984年に誕生したもの。

ここ数年のバーキンのさらなる価格の高騰にはびっくりするものがあります。

ディレクターは、2014年からフランス出身の女性デザイナー「ナデージュ・ヴァネ=シビュルスキー(Nadège Vanhée-Cybulski)」が務めています。

41番地にはアルマーニのセカンドライン「エンポリオ・アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」

エンポリオ・アルマーニ

1975年にミラノに設立されたイタリア人デザイナー「ジョルジオ・アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」ブランドのセカンドラインとして1981年創立。

「エンポリオ・アルマーニ」の「エンポリオ」は「市場」を意味します。

「ジョルジオ・アルマーニ」が創造性を重視しているのに対し、こちらのラインはネーミング同様、抑えた価格でありながら若々しい感覚を持つ都会人向けに作られた、遊び心のあるブランドとして展開。

今やアルマーニブランドの重要な柱になっております。

今年84歳を迎えるジョルジオ・アルマーニですが現役です!

古代ローマを意識したネーミング「ブルガリ(Bvlgari)」

40番地にあるブルガリ

エルメスとエンポリオ・アルマーニの真向かい、通りを挟んで建っているのが40番地のショップ「ブルガリ(BVLGARI)」です。

ギリシャで生まれ、イタリアに移り住んだ銀細工職人「ソティリオ・ブルガリ(Sotirio Bvlgari)」が、1884年にローマに創業した宝飾店が始まり。

「BULGARI」ではなく「BVLGALI」なのは、創業者のソティリオがあえて古代ローマ時代を意識し、その時代には存在しなかった「U」のスペルを使わず「V」にしたからと言われております。

1977年より腕時計の製造開始。2000年からはレザーアイテムや香水にも参入。そして2004年にホテル業にも参入。

ブルガリ ホテル パリは2年後にこの同じ並びにオープンです!

シャンゼリゼ通りへつながる場所にある「ホテル バリエール フーケッツ」

ジョルジュサンク通りからシャンゼリゼ通りへ

ここまで来ると、すぐそこはもうシャンゼリゼ大通り!その両脇にこの地のシンボルとも言える2つの有名店が建っております。

一つ目は写真向かって右側、46番地にある「ホテル バリエール フーケッツ(Hotel Barriere Le Fouquet’s)」。

ホテルバリエールフーケッツ

オープンは2006年と比較的新しいホテルですが、もともとは1899年創業の映画人たちが多く集まったカフェ「フーケッツ」が始まり。2017年、お隣のそのカフェと共に改修工事が行われたばかりです。

室内装飾を手掛けたのはフランスを代表するインテリアデザイナー「ジャック・ガルシア(Jacques Garcia)」。シネマに出てくるような古き良き時代のパリを思わせる雰囲気となっております。

1979年から現在まで「カフェ・フーケッツ」は、フランスのアカデミー賞であるセザール賞のパーティ-会場になっていて、毎年世界中からたくさんのスターが出席。歴史ある華やかなシャンゼリゼのシンボルなのです。

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フランスを代表するブランド「ルイ ヴィトン」本店

ルイヴィトン本店

そして、その「フーケッツ」の真向かいにひと際堂々建つのが、フランスを代表するブランド「ルイヴィトン(Louis Vuitton)」本店です。住所はシャンゼリゼ通りの101番で、ヴィトン全店舗の中で一番の広さを誇っております

1854年、スーツケース職人であったルイ・ヴィトンが、世界初となる旅行用鞄の専門店をパリ9区に開いたのが始まり。

黄金期を築いたのは息子のジョルジュで、トレードマークのモノグラムは、ジョルジュが万国博覧会で見た日本の家紋から思いついたものと言われております。

現在のデザイナーは女性服部門が南仏プロヴァンス出身の「二コラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)」。2013年の就任後、デザイナーとして数々の賞を受賞しています。

そして紳士服部門はアメリカ出身で2017年にやはり数々の賞を獲得し注目されている「ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)」。今年就任したばかりです。

この店舗でしか手に入らないオリジナルアイテムも多数あり、週末は大混雑するので、もし行くとしたら平日の午前中がおすすめです。

ジョルジュサンク通りでも油断大敵!スリが狙っています

ジョルジュサンク通りにも出没するスリにご用心

この「ヴィトン」本店まででジョルジュサンク通りにある主な有名店、ホテルはだいたいご紹介出来たと思うのですが、ちょっとこの上の写真をご覧になってみてください。

ヴィトンの前、観光客のそばに、頭にスカーフを巻いた女性が2人が写っておりますが、この2人、実はロマ系のスリです。

世界一有名な通りと言ってもいいシャンゼリゼには、こういったスリグループが毎日うようよしているのです。

このスタイルだとまだわかりやすいのですが、私たちと変わらない服装のスリもたくさんいます。それから割合的にはロマ系よりは少ないですがフランス系のスリもいます。

ブランドの買い物袋を下げていればお金を持っていると思われ、すぐ狙われます

ショッピングがどんなに楽しくても油断は禁物。常に自分の持ち物に神経を向け、声をかけられてもとにかく無視して通り過ぎてくださいね。

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シャンゼリゼ大通りに入れば凱旋門まですぐ

パリのシンボル凱旋門

シャンゼリゼ大通りに出れば、エッフェル塔と並ぶパリのランドマーク、凱旋門もすぐそこ。

本物の凱旋門を見ながら、シャンゼリゼを歩くと、パリに来たんだなぁ、と改めて実感がわくと思います。華やかで活気があって、歩くだけで楽しい気分になります!

せっかくのハネムーンですもの。旦那さまに上手に?おねだりしてどうぞ欲しいものをゲットしてください!

ただし、その中にカモを探してたくさんのスリが紛れ込んでいるのもお忘れなく!

 

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