入賞作品

発音の微妙な違いってわからないですよね……。外国人からすると日本語も同じ文字(ことば)で意味が違うものがたくさんあってよくわからないということになるのでしょうね。単語の使い方によってもネイティブ独特の意味があるので本当に難しい!

「ロング・マンって何」

金森 文孝さん(59才、静岡県在住)

三十年前の六月八日、タワー・ブリッジ近くのホテルにチェックインを済ませ、私達は二階建てのバスの路線図を求めて、書店巡りを始めた。

ハネムーン初日、パリを七時に飛び、ロンドンに七時着くという時差の不思議に非日常を感じながら、テムズ河畔をいく。

ロンドン・テムズ川
(写真はイメージです)

ロンドン塔付近の地下道をくぐろうとしたとき、よれよれのボロを着た酔っ払いの親爺が、私の袖をつかんで

「ユー・アー・ロングマン」と叫んだ。

「ロングマンって何かしら」酔払いを振り切り、暫く立った後、妻が尋ねた。

「きっと僕が脚長おじさんで、ボランティアで結婚したって言ったんだよ」と胸を張ると「でも、短足、豚腹じゃん」と妻は笑いころげ「RIGHT・WRONGのロングじゃないの。きっとあなたは悪い人だって教えてくれたのよ」と付け加えた。

帰国後、大学で英文学を教えている友人に聞くと「お前さんは、この女に不釣り合いだ」という判決がつきつけられギャフン。

「あの酔払いおじさんは神様のお使いだったのかもしれないわ」妻は成田離婚ならぬヒースロー離婚に踏み切らなかったことを、きっと今でも後悔しているに違いない。

やれやれ……。

その他の応募作品

オアフ島は比較的日本語が通じやすいといわれていますが、カウアイ島だと難しいかもしれません。
ことばが話せないって不安! というエピソードです。

ハワイへの新婚旅行

近藤孝子さん(43才、愛知県在住)

私と夫は十年ぐらい前に新婚旅行に行った。その頃、新婚旅行は海外に行くことがはやっていたので、海外にしたが、行き先は夫がハワイに行きたいと言ったので、ハワイにした。私は海外に行くのは二回目だったが、夫は初めてなので、旅行代理店で相談し、ハワイは行ったことがなかったので、ツアーにした。

結婚式の次の日に行くことにしたが、北海道から来てくれた親せきのために名古屋空港の近くの犬山城を案内した。親せきは犬山城を観光した後、名古屋空港から飛行機で帰っていった。

私たちはその日の夕方、名古屋空港を出発した。出発するとき、何かをスーツケースから取り出そうとしたが、スーツケースにはかぎをかけたので、かぎを開ける際に合わせる南京錠の番号を忘れてしまった。必死に何とか思い出し、スーツケースを開けることができた。

ハワイのオアフ島には日本時間の朝三時頃着いた。時差があるので、すごく眠たかった。アメリカの空港は壁に何も広告などが貼っていなくて、コンクリートがむき出しのままなので、びっくりした。

私たちはカウアイ島に泊まるので、オアフ島から別の飛行機でカウアイ島に行った。カウアイ島に着くと日本語のできるガイドが迎えてくれ、ホテルまでリムジンで送ってくれた。リムジンに乗ったことがないので、とても大きく、車内が広いのでびっくりした。

カウアイ島のホテルではホテルのスタッフなどが英語しか話せない人が多かった。

カウアイ島のホテルの客室の洗面所で蛇口らしいものが見当たらず、内線電話で洗面所の水の出し方を聞いた。スタッフは英語しか話せなかった。私はほとんど英語が話せなかったので、どうやって英語で話したらいいかわからなかった。スタッフが日本語のできる人と代わってくれたおかげで、言葉が通じた。洗面所の水も出すことができた。



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